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  (ご報告)2022年度地区懇話会「山〜まち〜海の多様な「観光魅力」が貝塚のまちの価値を高める−Green&Blue×Food&Culture−」(主催:日本観光研究学会関西支部主催、後援:貝塚市)(2022年11月13日)
 
2022/11/15
  (ご報告)2022年度地区懇話会「山〜まち〜海の多様な「観光魅力」が貝塚のまちの価値を高める−Green&Blue×Food&Culture−」(主催:日本観光研究学会関西支部主催、後援:貝塚市)(2022年11月13日)

 貝塚市は、山(和泉葛城)から海(大阪湾)まで連なる細長い市域に、自然や温泉、グランピング、海浜公園などのアウトドアフィールド、水間観音や貝塚御坊・願泉寺や寺内町などの歴史、水なすやたけのこ等の食文化、そして、それらを結ぶ水間鉄道など魅力資源がコンパクトにぎゅっと詰まっており、近年それらがリニューアルされつつあります。今回は、これらの特徴を「グリーン&ブルー、フード&カルチャー」というフレーズで代表させ、市長様はじめ市内の民間のキーパーソンがそろって、貝塚観光の魅力や今後の可能性について語り合い、大変盛り上がりました。

(ご説明)★「地区懇話会とは?」日本観光研究学会の関西支部で毎年、自治体と連携する地域大会です。近年「定住人口だけでなく交流人口へも注目」という政策で一般的な住宅都市や産業都市でも観光都市を目指すところが増えてきており、これまで堺市(2016年度)、池田市(2017年度)、河内長野市(2018年度)、尼崎市(2020年度)、高槻市(2021年度)と応援してきました。

(1)9:15に集合し、市内見学・エクスカーションを貝塚観光ボランティアガイド協会のご説明により行いました。18名の参加でした。当日は雨天でしたが、水間鉄道貝塚駅から出発し、水間鉄道の乗車体験(貝塚駅→水間観音)をした後、水間寺(水間観音)まで歩き、その後は、バスで、いぶきビレッジ(大阪府立農業公園)、二色の浜府営公園・市民の森、そして貝塚御坊「願泉寺」を中心とする寺内町をじっくりと見学しました。

(2)リニューアルされ快適な貝塚市役所の6階多目的ホールにてシンポジウムを行いました。主催者も入れて67名の参加でした。
1)まず、当支部長の小長谷一之より開会のご挨拶をいたしました。
2)つぎに、坂井了貝塚市長より「観光魅力を活用した貝塚の未来のまちづくり」と題し、貝塚市の人口減少・少子高齢化など市政課題に対応した、観光への期待や方向性に関する基調講演がありました。
3)続いて、パネルディスカッションとして、まずパネリストからの話題提供として、
@黒岩功氏 ((一社)SDGsLABO代表理事)からは、1年前に市内にオープンした大阪府立農業公園である「かいづかいぶきビレッジ」と、旧ほの字の里の「かいづかいぶき温泉」の2つの施設のコンセプトと運営について
A延生康二氏 (延生建設(株) 代表取締役社長)からは、来年4月から指定管理者として20年間運営される「府営二色の浜公園」のコンセプトと運営について
B楠本たみ子氏 (藤原竹工房)からは、木積産のしろたけのこを活用した石?や土壌改良剤などの商品開発や販売とうについて
C卜半 顕氏 (貝塚御坊「願泉寺」住職)からは、願泉寺の歴史的経緯や寺町が日本でも珍しい「宗教自治都市」であったこと
をご説明をいただきました。
4)続いて、コーディネータとして小長谷一之(大阪公立大学大学院 都市経営研究科教授)が務めパネルディスカッションに入りました。会場からも活発な質問や意見もあり、パネラーから今後の貝塚観光のあり方についての提言がありました。さらに、酒井市長から提言等に対する総括的なコメントもいただきました。それらの中の主な意見を紹介します。
@貝塚は山側と海側に魅力的な拠点資源あり、それぞれに来訪した人が、その拠点資源だけではなく、その間にある資源に周遊したくなるようなテーマ設定や仕掛けが必要。例えば、イベントも単発的なものをいくつも開催するのではなく、関連させたテーマで一体のものとして連続的に開催することが考えられる。フランスのパリなどはうまくやっており、個々のイベントは異なるが、全体としてつながっているように見せている。
A水間鉄道は貝塚にとって貴重な財産である。また駅があることが大切で、それらの駅を拠点として活用することも考えるべきである。
B観光施設だけ取り組むのではなく、市内の関係する産業や事業者との連携も重要である。例えば、オープンファクトリーで市内や泉州地域の工場等と連携し、工場見学や体験などの産業観光を進めていくことも大切であり、それらが若者の地元雇用にもつながっていけばよい。
C観光客の数ではなく、質を重視し、付加価値を求めてくる富裕層などをターゲットするべきで、それに対応する体験や受入れ体制を準備する必要がある。
D寺内町は大阪の中でも登録文化財が非常に多い地域であり、魅力資源として可能性がある。しかし、ほとんどにおいて住民が現に暮らしている生活の場であり、観光となじむわけではない。今後はそうした私的な領域と公的な領域をうまく調和させて可能な部分から観光まちづくりを進めていくことが考えられる。
E貝塚市内にもそれぞれの地域で課題があるし、社会課題もある。単に観光客を増やすということではなく、それらを解決する視点、来訪者と住民とがwin-winになるような観光振興をめざすべきである。
F来訪者は貝塚だけを求めてくるのではなく、魅力資源を求めてやってくる。その意味では市内で閉じるのではなく、泉州地域で連携して対応する必要がある。
G関空に近いという立地を活かして、インバウンド観光も進めるべき。空港でのトランジットの時間を利用した半日観光などの受け入れ先としても考えられる。

(3)最期に、司会より、
1)水間や寺内町など多くの伝統ある観光資源に加えて、自然観光拠点や浜辺・公園マネジメント・グランピング・ドローンなど新しい資源の拡大(ニュー&トラッド観光都市貝塚)。天体観測・ドローン・キャンプなど子どもも遊べる学習都市でもある。
2)現在観光の潮流がニューツーリズムに拡大しているが、そのキーコンテンツである「食と農のコンテンツ」「古い街並み歩き観光と町家活用」もそろっている。
3)他の都市と比べても、国の進めるコンパクトシティに近く、観光資源がぎゅっとつまったコンパクト観光都市。「海貝塚(二色浜・寺内町)」「中貝塚(仙石・水間)」「山貝塚(奥水間)」の3エリアが複合で楽しめる。これらの3地域と新旧の複数の観光資源魅力で滞在時間を拡大できる。
4)以上より、ブルー(海貝塚)の代表、グリーン・食(山貝塚)の代表、食(中貝塚)の代表、寺内町(海貝塚)の代表に素晴らしいお話をいただき感謝したい。
と結びました。

 今回の地区懇話会は雨天にも関わらず約70名の大盛況でした。市役所および関係団体のみなさまのご協力に深く感謝申し上げます。
   
 
「2022年度地区懇話会「山〜まち〜海の多様な「観光魅力」が貝塚のまちの価値を高める−Green&Blue×Food&Culture−」」
   
 
「2022年度地区懇話会「山〜まち〜海の多様な「観光魅力」が貝塚のまちの価値を高める−Green&Blue×Food&Culture−」」
   
 
   
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